2020 Spring - Summer Journal #03

Parrotdog - Craft Beer

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ウェリントンを拠点にしたクラフトビールカンパニーParrotdogの運営メンバー「三人のMatt」の一人、マット・ワーナー。商品の品質管理とレシピ開発を担当し、味と品質が適切に維持されているかを見守っている。

 

ブルワリーの横にはカジュアルなパブが併設されている。個性的な壁紙に飾られた剥製、お客さんが撮影していったポラロイドが空間を賑やかす。スタッフが店の奥にある、ブランド限定グッズや種類豊富なのビールが並ぶショップNice. Takeawayも案内してくれた。

 

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Interview「伝統的スタイルを謳う」

 

ライアル・ベイにあるParrotdog Breweryはウェス・アンダーソンの映画の世界に足を踏み入れたような感覚になる。ムード満点なマスタード色の花柄のタペストリー(壁掛け)、艶のある木製家具、天井から釣り下がるレトロなガラス製ランプから注ぐ緑色の光。伝統的な英国風パブのエッセンスも取り入れながら、クラシカルな雰囲気にオマージュを捧げる現代のパブだ。

 

ここで私たちはParrotdog創業メンバーの一人である主任醸造家、マット・ワーナーに出会った。大学時代、ともに自宅での酒造りが趣味だった彼とマット・クリストフスキーの出会いからParrotdogは始まった。ほとんどのニュージーラーンド人と同じくビール好きであった彼らは、2011年に趣味を本格的なビジネスにすることを決める。別のブルワリーとの契約が始まり、より経済的な発展を見込んだタイミングで3人目のマット・スティーヴンスもチームに迎え入れた。

 

「最初に作ったビールBitterbitch IPAは今も非常に人気でベストセラーとなっています」。マットが語るそのビールはPeopleʼs Choice Awardも受賞したことで、さらにビジネスにも拍車をかけるきっかけとなった。

 

事業拡大を機にライアル・ベイに拠点を移した。ここで彼らは蒸留から瓶詰めまでの一切を行う。パブの向かいにある広々とした蒸留所の入り口に立った途端に、穀物の酸味のある香りが鼻の中にすっと強く入ってきた。メインフロアにはビール造りの工程に必要な巨大なタンクがいくつか並ぶ。

 

「私たちが作るビールの原材料は主に、麦芽、大麦、ホップ、水、そして酵母です」。ホップから瓶詰めまでのプロセスをマットが説明してくれた。国産原材料のほか、オーストラリア、米国産の大麦とホップも使用する彼らのビールのレパートリーはIPA、ペールエール、ピルスナー、ラガー。その特性、香りとも実に多様だ。オーストラリアのホップは甘味があるのに対して、ニュージーランドはよりハーバルな風味を持つ。異なる原材料の組み合わせの試飲と調整を重ねることが、素材の個性をいかしたブレンドを作ることに繋がる。 良いビール造りに必要なものは何かを問われた時、マットは一瞬頭を傾げたもののすぐに躊躇なく答えた。「全てはバランスのうえに成り立っています。大事なのは、品質が確かな原料を揃えてその甘味と苦味のバランスをいかに作るかです」。

 

ここ数年でParrotdog は急速な成長を遂げたが、 3人のマットはより商業的な軌道に乗ることよりも、今後一貫性のある高品質なクラフトビールを作ることにじっくりと焦点を当てていくと言う。

 

実験的であることと実直さを基本姿勢に持ちながら、ほどほどに肩の抜けた彼らのメンタリティはブランドにも通じている。だからParrotdogはあらゆるライフスタイルの老若男女を歓迎しファンにするのだろう。

 

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2011年にマット・ワーナーとマット・クリストフスキーがクラフトビールブランドParrotdogを創業。まもなくしてマット・スティーヴンスも加入。彼らは現在、ニュージーランドで最も人気のあるクラフトビールブランドの一つの経営・生産に携わる。2017年にウェリントンのライアル・ベイエリアに拠点を移し、幅広いファンを持つ定番シリーズからパブで月ごとに飲める実験的なビールまで全てを手がける。
parrotdog.co.nz

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