Dialogue with Nature #01

「冬に向かう山 - 三頭山」 鈴木優香

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11月の中旬、奥多摩の三頭山を訪れた。始めはひんやりとした空気に背を丸めて歩いていたが、鞘口峠から山頂までの道のりは思いのほか急登で、次第に汗ばむほどにぽかぽかとしてきた。どの木々も葉を落としているので、太陽の光がたくさん降り注ぐ。羽織っていたジャケットは早々に脱いで、ザックの中に仕舞った。紅葉の季節は過ぎてしまったが、爽やかで気持ちの良い山歩きである。

地面に積もった葉はよく乾いていて、そのひとつひとつが空気を抱くように丸まっている。赤みの茶色、黄みの茶色、緑みの茶色。遠目からは一様に見えても、近づいてみれば様々な色があることに気付く。そして、ブナ林に入ればブナの葉が多く積もるし、朴の木があれば朴の葉が混じるといったふうに、足元の景色が切り替わる瞬間があることも知った。周りの植生によって落ち葉の種類が変わるのは当然なのだが、なんだか新しい発見をした気分になった。私は顔の大きさほどある朴の葉を1枚拾い、柄の部分を摘んでくるりと回した。波打った葉の縁が揺れて、きれいだなと思った。

サクサクと落ち葉を踏んで歩きながら、ときおり聞こえてくる鳥のさえずりに足を止める。辺りを見渡しても、その姿はなかなか見つからない。道の先に人の声が集まっているので行ってみると、木々の向こうに少しだけ残った真っ赤なカエデが見えた。

【今回歩いたコース】
都民の森駐車場ー鞘口峠ー三頭山ームシカリ峠ー三頭大滝ー都民の森駐車場
コースタイム:約4時間
※檜原都民の森HPでは「ブナの路コース」で紹介されています。

帰り際、木材工芸センターに立ち寄って作ったキーホルダー。ヒノキのいい香りがする。

【今回着用したアイテム】
BASELAYER:W 200 OASIS LS SCOOP
MIDLAYER:W DESCENDER LS ZIP

 

 

【プロフィール】
鈴木優香
山岳収集家。大学院卒業後はアウトドアメーカーに入社し、商品企画・デザインを手がける。2016年に独立し、山で見た景色をハンカチに仕立ててゆくプロジェクト「MOUNTAIN COLLECTOR」を開始。山と旅をライフワークとしながら、写真・デザイン・執筆などを通じた表現活動を続けている。
www.mountaincollector.com

写真・文:鈴木優香

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